サウンドスペースエクスペリメント・スチールドラムワークス無事終了しました。ご来場くださいました皆様に御礼を申し上げます。ページをスクロールダウンすると公演準備、メイキングからライブレポートまでたどり着きます。メイキングからライブまでをカバーしたスライドショーをご覧下さい!

3月13日〜横浜のBankART1929 にてクリエーションと公開リハーサルを実施した際の会場設営の様子。
3月23日〜アサヒアートスクエアへ移動し、また仕込みと会場設営...
25日のゲネプロ、26日〜28日までの本公演の様子。

画像は、制作スタッフが撮影したものとヒビノ株式会社広報部末木さんが撮影してくれたものです。


<はじめに・・・>
今度の自主企画はなんと、「ドラム缶ライブ」。
最近のソロコンサートでも時々登場するこの「ドラム缶」との出会いは2005年、さいたま芸術劇場でのダンスプロジェクト(中村恩恵新作2005‘Play of a Play’)での舞台の音創りでした。劇場ではスタッフのみんなと溶接工場へ行ったり、いろいろな試みから新たなサウンドがたくさん生まれました。(その音源のCD化も今回記念盤として同時発売します。)
その「ドラム缶」の無限の響きに魅せられて以後、やっと実現する今回のライブです。

今回のプログラムは、、、といっても全体的には皆さんに、この様々なドラム缶から生まれるアコースティックな響きを元にライブでの音響空間を体験していただくというエクスペリメンタルなものがメインですが(音響については別枠でご紹介)、最近レパートリーになったDavid LangのThe Anvil Chorus(勿論オリジナルドラム缶セット)と
ドラム缶ら打楽器に移り変わっていく構成で挑戦するスティーブ・ライヒの「エレクトリック・カウンターポイント」は、ライブでのマルチトラック出しでの演奏、世界でも初めての試みになるでしょう。

ウェブ割は前売りの千円引き、4,000 円にて予約受付中!  ご予約は、 ticket@kuniko-kato.net にて!


<音響のこと・・・>
様々なドラム缶があちこちに点在する中、天井と地上から計20個以上のスピーカーを設置、スピーカーとライブ演奏の共演によるサウンドで客席を包み込みます。各種ドラム缶におけるサウンドデザインもそれぞれ異なり、様々な音体験ができるように宮本さんとアイデアを出し合っています。時には海の底に居るような、またこの独特のレイアウトにより、客席のどの位置からでも、まるでステージの中央に居るかのような感覚で鑑賞できます。

ドラム缶の美しいアコースティックな音色とリズムに、宮本さん・田口さんが提供するサウンド・テクノロジーを駆使した音響効果「シンフォキャンバス(※)」との融合による新たなステージを試みます。

※シンフォキャンバス(Sympho Canvas ®):ヘッドフォン・ステレオや携帯電話のダウンロード音楽再生などがもたらす、矮小化された音楽の聴かれ方に危機感を覚え、本当の音楽の心地良さを改めて見つめるべく、音楽の再生音場の“空気感”に徹底的にこだわり、新しい音空間を表現する音響システム

勿論今回、音響システムを使用しますが、ライブでのディレイなど以外、ドラム缶自体の響きには電気的処理を一切加えていません。ドラム缶の持つ響きの可能性や音色の多様さには皆さんきっと驚かれることでしょう。こんなライブは世界でも滅多に見られるものではありません。必見です!


<会場のこと>
今回の特殊な会場レイアウトにより、テーブル席は約50席、他補助席が壁に沿って配置されます。他は自由に動けるスタンディング。お好きな位置で、様々な音場空間をお楽しみください。
全席自由となりますので、お席の確保したい方はお早めのご来場をお勧めいたします。(会場は公演の一時間前より)
またお体のご不自由な方、高齢の方は会場スタッフにお声掛けください。


<登場するドラム缶について>


ピアノ弦を張ってみた。美しい音色、長い余韻が鳴り響く。


所謂ドラムセット。よくは見えませんが、ペダルや鉄管、ライドシンバルのような
ものも組み合わせてみた。

(サイドビュー)
ドラム缶の中にビスを溶接、なかなかおもしろい新たな響きが生まれた

頭をつっこむとまるで水底にいるよう。。。


私のアンビル・コーラスのセッティング。(ちょっと後ろが汚くて、ごめんなさい。)


鉄琴ドラム。オルゴールのような豊かな響き。                                                            

鉄管をぶら下げて缶の中で響かせる。コンサート時のチャイムとしても使用!

・ ・・あとはこれからの創作でのお楽しみです!

<CD及び公開プリビューについて>
SOUND SPACE EXPERIMENT −Steel Drum Works-記念CDをライブ期間中販売します。
収録曲:tiki-tiki-ban-ban, can’s club mix、他6曲
All music & performance by KUNIKO KATO
Recorded at Concert Hall in Saitama Arts Theater
Engineer - Takahiro Sankai (SAF)
Mastering - Seigen Ono / Saidera Mastering 2009

Bankart1929 にて
3月13〜21日、本公演のクリエーションを行います。
期間中はリハーサルを公開、21日には公開プリビューも行います。

日時 3月21日(土)
会場 BankART1929
時間 18:30~ (open 18:15)
料金 1,500円
SSE公演を記念したCD「Sound Space Experiment ? Selection」特別価格で販売中!

 

14日より、バンカートでのクリエーションが始まりました。
今回更に新しいドラム缶たちも加わり、並べてみるとなかなか壮観です!
ここBankART1929のホールにフィットするかどうか、ちょっと心配だったのですが、意外とマッチしていて、ほっ。音もこの空間では生音だけでもほんと、すっごいパワーで響き渡っています。

サウンドシステムも、すごい贅沢ですね。ここに何本も見える銀色の円柱のようなものが、スピーカー。(無志向性なので、そばで聴いても全くうるさくありません。)特にライヒの曲などではこの一本一本から各パートのプリレコードが流れ、それとのアンサンブルを行います。私の後ろに並んでいるものが、同じ配置で客席の後ろにも設置され、演奏者と観客とが同じような状態で音を楽しむことができるというしくみになっています。
他にも、微細な音やまるでドラム缶の中に頭をつっこんだような音など、それらを正確に拾い、それらを体感できるようになっています。

大変贅沢なこの期間を快く与えてくださったBankARTさんに心から感謝!
只今、公開リハーサル中です。皆さん期間に是非遊びにきてください!
素敵な空間ですので、まだ訪れたことのない方は是非ご覧になるといいですよ!

3月21日のBankART1929のプレビュー公演は18時半より。開場は15分前。約一時間の公演です。今回、特別に本公演のチケットを持っている方はこのプレビューを無料でご覧いただけます。 (但し、プレビュー公演では音響状況のこともあり、多分ライヒの「エレクトリック・カウンターポイント」はやらないかもしれませんが。ごめんなさい、、、こちらは本公演の世界初演を是非ご覧ください!)

それから最後に、ここBankART Presentsで公演開催を記念して限定でドラム缶音源を主としたCDを作りました。たくさんある音源から厳選したオムニバス、ライブ期間は1000円で購入可能です!


   

  

<レコーディングについて>
先日、エレクトリック・カウンターポイントのレコーディングが無事終わりました。
ライヒのカウンターポイントシリーズは、一つの楽器でのアンサンブル。オリジナル「エレクトリック・カウンターポイント」はギターソロ(ライブ)とテープ、またはソロとアンサンブルという編成で演奏されることになっています。今回はこの曲をパーカッションヴァージョンにアレンジし、このテープ部分(プリレコードされたアンサンブル)をレコーディングしました。


今回私は、このライブのためにこの曲を選んだわけですが、ライブのコンセプトに従い、1楽章はスティール・パン(紛らわしいですが、これはドラム缶でなく、ドラム缶から作られたあのトリニダードの楽器です)、2楽章はビブラフォン、3楽章はマリンバという構成を考えました。この考えをスティーブ・ライヒに伝えたところ、「君の思った通りのサウンドを作って、すぐにデモを送りなさい」という返答。三日三晩寝ずにひたすら重ねて録音し、ラフ編集したデモを送ったところ、ものの一時間で「Very Good!さあ、これでレコーディング、ライブ、CDも作っていいよ」という嬉しいお返事!
晴れて作曲家の承認も取れ、レコーディングに臨んだというわけです。

  

さて、このレコーディングに選んでいたレコーディングスタジオはここナッシュビルでも(ナッシュビルはカントリーミュージックの本場、レコーディングスタジオやレコードカンパニーもたくさん揃っています。)1,2を争う「ブラックバード・スタジオ」。(http://www.blackbirdstudio.com/
ここにジョージ・マッセンバークという超凄腕のエンジニアがいて、彼の構想に基づいて作られたマスタリングルーム(壁にランダムな凹凸をつけて、余分音を吸収させながらも、音を拡散させるという)が有名です。 (http://www.massenburg.com/
この世界的にも注目度の高いブラックバード・スタジオ、なんとウチから車で15分。ありがたい環境です。

  

このジョージ・マッセンバーグという人は、「パラメトリックEQ」を発案した人として著名で、またこの業界では知らない方はいないほど。
ナッシュビルに来る前の彼は、全盛期のEW&Fのほとんどレコーディングやフィル・コリンズ等その他もろもろビックアーティストのレコーディングにたくさん携わっていました。びっくり!
でも彼は初めてライヒのレコーディングを行うと言ってエキサイトし、一緒にスコアを読みながら、音のプランを作っていってくれました。実は彼のとても親しい友人が、オリジナル(パット・メセニーの)エレクトリックカウンターポイントを録音した際のエンジニア(ボブ・ラディック)であったのは奇遇でした。

  

一日目に3楽章のマリンバを取り終え、すでにラフをいただいて聴いたら、音のレイヤーと各楽器のテクスチャが非常にリアルで「これはすごい!」。それはそのはず、今回の録音時には8種類のアコースティックのリバーブを足せるように、8種類のマイクを様々な配置に予めセッティングして置き、楽器や楽章、イメージによって選択していきます。今回使用したルームはスタジオD、天井も彼の発案した凹凸の壁ですから、勿論音そのものもきれいに録れています。ここのすごいところはこの後からかけるリバーブというのは電気的なものでなく、すべて演奏中に振動している空気を一緒に録ったものなので、ほとんどアコースティックと呼んでよいのです。音質もサンプルレートが192/24 というとんでもない贅沢です。

  

さすがのジョージは、ほとんどのレコーディング、エディティングを同時に行ってゆく速さ、私もほとんどテイク1か2でどんどん進んでいきました。
それでもスコアに書かれているすべての音を録るのに丸二日かかり、二日目の夜中1時半にわずかなエディティングを残して終了。
とても充実した幸せな2日間の録音でした。(ジョージと彼のアシスタントエンジニアのカズリさんに深く感謝!)

勿論今回のライブではこのソースをトラックごとにわけて出力します。
すごいことですね!今度は宮本さんのライブでのパフォーマンスが楽しみです。
さあ、世界初*、スティーブ・ライヒ「エレクトリックカウンターポイント」パーカッションヴァージョンの誕生です!
http://www.stevereich.com (オフィシャルサイト・コンサートセクションに公演情報掲載中)

* スチールパン、ビブラフォン、マリンバでの組み合わせは世界初の試み。


<公演本番! 無事終了しました!>
SOUND SPACE EXPERIMENT vol.1 steel drum worksへたくさんの方のご来場、本当にありがとうございました。今回は一言で言って、「楽しかった!」ですね。
お客様の声も勿論、私自身も本当に毎日が楽しくって、仕方がありませんでした。
だんだんとこの空間に引き寄せられてか、何故かスタッフも徐々に増え、お客さんでも3日連続でいらっしゃった方もありました!ありがとうございました。

13日からバンカートで始まり、23日からアサヒ・アートスクエアでの会場作り、本番3日間の5公演、あっという間でしたが、こんな風に毎日毎日音のことを、音楽していられる喜び、しかも多くの方々と共有する時間もあって、本当に幸せな日々でした。日本では時間の流れ、場所、当たり前に「無理なこと、考えられないこと」ですが、ものを創るには欠かせない、大事なことです。ずっと(勿論プランニングから)付き合ってくださった、宮本さんに心から感謝です。それから人手が足りず、いつも駆けつけてくれた中野君、篠崎さん、太田さん、打楽器の後輩たち、ドラム缶セットのセッティングのためにさいたま芸術劇場から駆けつけてくださった山海さんと平井さん、だんだん理解を深めてくださったカノン工房の鈴木さん、照明のアイカワさん、菅さん、ぎりぎりにお願いしたのに関わらず、楽しんでビデオを回してくださった御池さんと小原さん(相当出席率も高かったですね!)、HIBINOから広報で末木さんもたくさん写真を撮ってくださいました。またなんとプロサウンドの取材に来たはずの林さん、公演前日から毎日出席し、最終日にはとんでもない(素晴らしい!)マイクを持ち込んでライブレコーディングまでしてしまったという前代未聞の事態でした。
また何と言っても、機材提供してくださったタグチさん(及びスタッフの方々)、会場のバンカート、アサヒ・アートスクエアもすばらしいスタッフの方々に支えられ、本当に毎日を気持ちよく過ごすことができました。心から感謝いたします。

私もなかなか興奮冷め切らず、毎日目が覚めると、「さあまた今日もライブだ!」と言ってしばらく騒いでおりました。

さてたくさんの写真もそろってきたので、ライブレポートを。
時は戻り、アサヒ・アートスクエアに入ったところへ。
と、一言ずつコメントを入れようかと思いましたが、面倒くさいので、一気にスライドショーにしてしましまいました!お楽しみください。

(CDジャケ写)


CDをお買い上げいただいた方、ありがとうございました。
今回のは前情報とちょっと違い、このライブを気軽に持ち帰り、思い出していただけるよう、セレクションになりました。
録音はさいたま芸術劇場、2005年中村恩恵ダンスプロジェクト終了後、音楽ホールにて山海さんに録っていただいたものです。EDITING,MIXは私ですが、今回のCDにする際のマスタリングはなんとオノ・セイゲンさんですよ〜!残念ながらSACDではないのですが...

で実はこのCDには隠されたトラック7というのが入っておりまして...(そのまま聴き続けている方は自然に聞こえてくる金属音に気づかれると思います。)
最後の6曲目は内側に書いてあるように、小島信之さんというさいたま芸術劇場で制作を中心になってやっておられた方に捧げています。(昨年末、突然不慮の事故で亡くなられたのですが、このライブのことを決めたことを、お知らせする前に逝かれてしましました。)この6曲目は4年前のステージのラスト・シーンで中村恩恵さんからいただいた言葉をつらつらと言いながらぽつりぽつりオルゴール・ドラムを演奏しているもの。
勿論これだけでもよかったのですが、何かが足りないのではないかと感じていたところ、ぎりぎりにBankartから出てきたCDジャケットのデザインがこの金属音の写真でした。そこで、この手をつけていなかったこの金属音をひっぱりだし(ドラム缶の中で自然にぶつかりあって、鳴り続ける自動装置のようなものです。2005年のステージの客入れオープニングで使用)、CDの原盤とデザインすべてを収めたあと、KINUYAの関さんに無理言ってお願いし、最終マスターを落とすときに、ラストに加えていただきました。(関さん、快くやってくださり、本当にありがとうございました。セイゲンさん、勝手なことをして本当にごめんなさい...)
この瞬間、私もすっと心が落ち着き、「ああこれでよかったのだ」と思いました。
(小島信之さんのご冥福を心からお祈りいたします。永遠の安らかな眠りに...)

またこのドラム缶音源全曲盤(もっと素材のものやシタール組曲の続きなどあるのです)、それからライヒの「エレクトリック・カウンターポイント」(世界初パーカッションジョンヴァージョン)が出た暁には、また皆さん是非買ってくださいね〜!
(今回の限定版もWEBや各地レコードショップでも購入可能です!)

ほ〜んとうに、たくさんの素晴しい大御所の方々の協力をいただき、たくさんの素敵なアーティストに囲まれ、大きなエネルギーをいただきました。誰一人として欠けては実現できなかった今回の「ドラム缶ライブ」本当に幸せでした。皆さんにもこのエネルギーが少しでも伝わっていれば、嬉しいです。
最後にこのドラム缶たちとお別れするのはちょっと寂しい気持ちを持ちながらも、ステージの解体作業を上階バルコニーから見ていました...でも100%再生のドラム缶、またきっと会えることでしょう!




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